「GFSC青い鯉のぼりプロジェクト2018」支援活動報告
2018年5月5日、宮城県東松島市は早朝に町を洗うかのような雨の後、爽やかな五月の風吹く朝であった。
“青い鯉のぼりの下に腰を下ろす会Vol.7”は昨年に続き青い鯉のぼりプロジェクト発起人の伊藤健人さんの自宅のあった大曲浜地区の共同慰霊碑のある萬寶院仮本殿前で開催された。
会場には前日までに揚げられた鯉のぼりが五月の風の中、元気に泳いでいた。
当NPO法人日韓文化交流会は2011年震災直後より、「GFSC希望の和太鼓プロジェクト」として地元芸術団体と手を携え、震災で多大な被害を被った宮城県石巻市雄勝中学校へ太鼓及び指導者派遣などワークショップ支援し、2012年9月には子供達に希望と夢を持ってもらいたく雄勝中学校全校生徒と教職員を4泊5日の“夢・希望韓国の旅“に招聘した。
一方“GFSC青い鯉のぼりプロジェクト支援”として2011年9月より7年間、青い鯉のぼりの下に腰を下ろす会を継続支援している。
今年も、当NPO法人スタッフ及びボランティア参加者で、震災で亡くなった子どもたちの追悼、震災を風化させない決意、コミュニティー再生と子供達の明るい未来を目指し、予てより手を携える諸芸術団体と共に支援活動に爽やかな汗を流した。
開会を前に、4月15日開催された恒例の「日韓友情フェスタ」に於いて出演アーティストの温かい応援サインメッセージや来場者の皆さんの心の籠ったメッセージが書き込まれた“GFSC青い鯉のぼり”を発起人・伊藤健人さんに届けた。
会場中央に立てられた高いポールを中心に放射線状に、外周にと渡るロープに、当日集まった支援者や参加者で、更に鯉のぼりの追加掲載を手伝った。
「日韓友情フェスタ」から応援の思いを繋げた”GFSC青い鯉のぼり”も風をはらみ元気に泳ぎだした。
その風景はまるで大地から無数の青い鯉が天に向かい活きよい良く大空を昇るかのように見えた。
当法人は今日ここに集まって来られた皆さんに、ひと時の楽しみと明日への元気に繋がればと炊き出しを行った。
今年のメニューは、こちらでもすっかりおなじみになった韓国食“トッポギ”と子供達に食べやすいラーメン入り“ラポッギ”だ。今年は少量のチーズもトッピングされ辛さもまろやかにバージョンアップされた。
“去年も食べて今年も楽しみに来た!”とのお子さんのトッポギファンも出現!
沢山の方々に食していただき、たくさんの笑顔をいただいた!
トッポギ・ラポッギの炊き出しを召し上がる皆さんに、募金を声掛けし、この7年間当法人と手を携え二人三脚で東日本復興支援を支えてきた千葉実行委員長を通し全額寄付した。
会場では、宮城県内陸部の太鼓チーム、歌手が参加し演奏が繰り広げられる。
太鼓の音色はふるさとの大地に轟き、歌声は天に届くかのように弾んでいた。
発起人伊藤健人さんも幼いころ舞っていたという地元大曲浜に江戸時代より伝承される大曲浜獅子舞も披露された
始まりでの地元ふるさとを表す曲目“陸奥(みちのく)”の演奏では、当法人が震災直後より3年間“GFSC希望の和太鼓プロジェクト”で寄り添った宮城県石巻市雄勝中学校のOBの姿も見られた。
大曲合同慰霊碑の前でひとりの男性と出会った。
この震災で奥様と3人のお子さんを亡くされたという。
「地震では大丈夫だったんだよ。でも津波がね・・
息子一人だけ車の中から救助されたんだ。今は息子と二人だけ・・」
大切な家族を亡くした深い哀しみは歳月を経ても癒えることはない。
会場は例年、懐かしい再会の場でもある。“GFSC希望の和太鼓プロジェクト“で3年間寄り添った石巻市雄勝中学校、”夢・希望韓国の旅“を共にした元太鼓部顧問の佐々木先生、卒業生や父兄の皆さんなどの再会だ。
“お久しぶりです~!!“
互いに歩み寄り交わす笑顔に心が通いあう。
7年を経て、韓国の旅を中学1年生で共にした子も、今年は社会人1年生となっていた。
GFSCを共に7年間、宮城県石巻市・東松島市、岩手県大船渡市を中心に手を携え協力し合ってきた諸芸術団体との数々の再会もあった。
当法人が震災以来継続して東日本大震災復興支援を行ってきた絆をあらためて実感する1日であった。
先に天国に逝った子供たちも、鯉と戯れているかのように鯉のぼりも天に向かって勢いよく泳ぐ。
流れゆく月日を感じながらも、5月5日この鯉のぼりの下では3.11で止まった時を天地の境を越え共有できる気がする。
一人の青年の強い思いが多くの人の思いと重なりこの日に繋がった。
楽しかったひと時は瞬く間に過ぎ、閉会の時を迎えた。
復興が進み、生まれ変わるふるさとの地。しかし変わらず、この地に縁ある人が集い、訪れる人、応援する人との絆を深める。
また来年会いましょう!
心を一つに!絆を広げましょう!
当法人は明日への希望と夢に繋がる日を応援するため、GFSC(Good Friends Save the children)文化芸術を通した東日本復興推進活動を今後も継続して参ります。