GFSC 東北Hope Community Project 日韓文化交流による被災地への心の癒し
NPO法人日韓文化交流会
教学部長 趙
“大きな地震そしてとてつもない津波で町は一瞬のうちに廃墟と化しました。しかし自分の家は山のほうにあるので流されるとは思いもしませんでした。初めはこの実状が受け入れられなく、現実なのか夢なのか区別できませんでした。しばらく後に流された自宅を探したところ全てが壊れ形も歪んでいる中、なんと私の部屋の中に韓流スターの写真が残っていました。これこそ私がこの家に住んでいたという唯一の証拠です。今は、私に元気を与えてくれる宝物です” (Oさん)
岩手県大船渡市に2012年4月13日、三陸の地で最も被害が大きかったこの都市で、韓国語を通して仮設住宅に住む住民たちの交流と心の癒しプログラムが始まりました。これは震災によるコミュニティー崩壊からの再生と、長い仮設住宅の生活の疲れを癒す事を目指すもので、NPO法人日韓文化交流会が地域コミュニティーとチャイルド・ファンド・ジャパンからの要請を受け、文化交流を中心とした新しいコミュニティ形成を目指す取り組みです。
“韓国語を勉強したくて1時間半もかかる遠い水沢まで行こうと思った時に大船渡に韓国語教室ができることを知りすごく嬉しくなりました”と言う上野さん。韓国時代劇ドラマが好きな上野さんは仮設商店街で魚屋さんを経営しながら仮設住宅住民たちのコミュニティを作るために尽力している中、韓流ドラマやK-POPに関心がある人が多いことに気づきました。
“韓国語とか韓国ドラマや映画、音楽、料理の話をすると皆関心も高くて集まったら夢中になり家に帰ることさえ忘れるのです。やはり文化は人を呼ぶし、交流は力を出しますね.”というユン ファンシクさんは自分も仮設住宅に住みながら韓国語をボランティアで教えています。
仮設文化センターで韓国語教室が始まった。
先生になるユン・ファンシクさんも今仮設住宅で生活している。隔週金曜日19:00から授業
がれきは撤去したとしても復興への道はまだまだ遠い
チャイルド・ファンド・ジャパン、地域コミュニティとの韓国語教室運営の打ち合わせ。
仮設で地域カルチャーセンターが出来ている。
仮設住宅が並んでいる。既存のコミュニティが崩れ、新しいコミュニティ作りが課題である。
長い仮設住宅生活で疲れている。
2012年7月15日は震災後久しぶりに笑顔の花が咲きました。140余名の方たちは「日・韓文化交流会;岩手の共に楽しむ韓国体験」というもとで韓国料理教室や多彩なハングル文字、歌、会話、ゲームで楽しむ韓国語講座で楽しい時間をおくり、震災の辛い思いや長い仮設住宅生活の中での疲れを拭い払いました。
韓国料理教室では「三色海苔巻と海鮮チヂミ」を約50人が参加して活気溢れる雰囲気でありました。韓国の俳優 ソン・スンホンさんが大好きな大塚幸子さんは彼の写真入りの手作りエプロン姿で参加し、とても印象的でした。盛岡から来られた方は「海苔巻は日本だけのものだと思っていたけど隣の国の韓国にもあったんですね~。しかし酢飯ではなくゴマ油を使うのでびっくりしました」と感想を述べました。皆で自分達が作った韓国料理と東京からお土産で持って行った韓国の果物を食べながら辛いことを忘れて楽しい時間を過ごす事が出来ました。
その後、続けて‘韓国語の発音のルールや韓国語の歌’を習う時は先生の話をメモしながら熱心に聞く姿がとても印象的でした。また、「会話で楽しむ韓国語」の時間に韓国語の数字でのビンゴゲームで賞品の韓国のお菓子をもらったり、韓国の韓服を着て写真を取る時は本当に喜んでいました。
韓国料理を指導してくれた鄭先生は“ここに来て被災者の方々と直接お話しをして見て感じたことは彼らのしっかりと前を向いて生きていこうとする意志の強さとこのように人との絆を大切にして新たな希望や生きる力を生み出していることです。”と感想を述べました。
この行事はNPO法人日韓文化交流会と夢商店街カルチャー教室が共催して地元NPO法人チャイルドファンド・ジャパンと協力して行われました。当法人は「希望のコミュニティ形成」を目指して地元の関係者、住民たちと協力し、文化芸術を通して東日本大震災復興を定期的に推進して参ります。
楽しく料理を作る参加者たち
日韓の食の交流
笑顔で韓国語を学ぶ住民たち。笑顔するのは久しぶりだという。
韓国の着物も着てみて楽しい。